「ウイルスソフトを入れているから大丈夫」は危険?UTM(統合脅威管理)が必要な理由

「うちは全台にウイルス対策ソフトを入れているから、セキュリティは完璧だ」
そう思われている経営者様は非常に多いです。

確かに、ウイルス対策ソフトは必須です。しかし、近年のサイバー攻撃は巧妙化しており、ソフトだけでは防ぎきれないケースが増えています。 そこで重要になるのが、「UTM(Unified Threat Management:統合脅威管理)」という機器です。

今回は、なぜソフトだけでなくUTMが必要なのか、その決定的な違いを「家」に例えて解説します。

1. 「各部屋の鍵」と「門番」の違い

ウイルス対策ソフトとUTMは、守る場所と役割が全く違います。

  • ウイルス対策ソフト = 「各部屋の鍵」 パソコン(部屋)の内部に入り込んだ泥棒を検知・駆除します。しかし、もし泥棒が部屋に入る前に廊下(ネットワーク)で悪さをしたり、そもそもソフトが入っていない部屋(機器)があったりすると、無力です。
  • UTM = 「敷地の入口に立つ警備員(門番)」 インターネットと社内ネットワークの境界線に設置します。怪しいやつが敷地内に入ってこようとした時点でブロックします。そもそも侵入させない、という考え方です。

2. ソフトを入れられない機器(IoT)が狙われている

ここが最大の盲点です。 社内にあるネットワーク機器はパソコンだけではありません。

  • 複合機(コピー機)
  • ネットワークカメラ
  • Wi-Fiルーター
  • ネットワーク対応のハードディスク(NAS)

これらの機器には、ウイルス対策ソフトをインストールできません。 しかし、攻撃者はこれらを「踏み台」にして社内に侵入し、データを盗んだり、他社への攻撃に使ったりします。UTMがあれば、こうした「ソフトを入れられない機器」も含めて、ネットワーク全体をまとめて守ることができます。

3. 「更新忘れ」や「無効化」のリスクがない

ウイルス対策ソフトは、個々の社員が「更新」を怠ったり、「重いから」といって勝手に無効化してしまうリスクがあります。 一方、UTMはネットワークの根元に設置するため、社員が意識せずとも、自動的に最新のセキュリティ状態で全通信をチェックしてくれます。人的ミスによるセキュリティホールを防げるのも大きなメリットです。

まとめ:セキュリティは「多層防御」が基本

「ソフトか、UTMか」ではなく、「ソフトも、UTMも」が正解です。 入口(UTM)で防ぎ、万が一突破された場合や、USBメモリなど内部から持ち込まれたウイルスを出口(ソフト)で防ぐ。この「多層防御」こそが、現代のセキュリティの標準です。

ワンズ(ONES)では、お客様のオフィス規模や通信量に合わせた最適なUTM選定を行っています。「自社の対策に穴がないか心配」という方は、ぜひ一度ご相談ください。

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